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2006年11月

Pat Metheny Group/Travels

パットメセニー・グループのよさは、まずはメロディー。
それからリズム・セクション。そしてアンサンブルの妙。

でもこのCDを聞いていると、パットのギター・シンセサイザーの
音色がとても魅力的です。聞き方によっては涙が出そうなぐらい
いい音がする。

私はだいたいにおいてシンセサイザーにはあまりいい印象を
持っていないのですが、彼のギター・シンセサイザーは別です。

1982年の作品、つまりは四半世紀前の音楽ですが、私の耳には
全く古くなど聞こえません。

私にとって大切な同時代音楽です。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0000262UV/

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Symphony No.7 Bruckner arr. Stein/Eisler/Rankl

新しい音楽を聞くことが自分の可能性を探ることだとしたら、なじみの音楽を聞くことは自分を確認することなのかもしれない。「確かに私はこのような存在なのだ」ということを音の流れによってしみじみと納得することだ。だから同じ音楽ばかり聞く人を私は笑えない。新し物好きの私とて、しばしば自分を確認するような音楽に戻って、それを何度も何度も聞き返している。それは自分を取り戻す儀式なのかもしれない。

というわけで、仕事に疲れ、BGMで音楽を聞くことにも疲れた私が、それでも仕事を続けなければならないときに、ふと棚で見つけたCDはやはりブルックナーでした(笑)。

しかしこのブルックナーは通常の演奏形式ではなく、室内楽形式で演奏される7番です。
Symphony No.7 Bruckner arr. Stein/Eisler/Rankl
Linos Ensemble
Capriccio 10 864
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005V5OI/

正直、それほど素晴らしい編曲であるようにも思えませんが、この形式ですと、私があまり好きでないこの曲も、過剰にロマンチックになることなく聞けます。特にピアノの導入が、私には好ましいことのように思えます。


人間にとって儀式というのは思いのほか重要です。たとえそれが神社で拍手(かしわで)を打つことであれ、ネクタイの色にこだわることであれ、イチローのように所定の身体動作を繰り返すことであれ、村上春樹のように毎日の起床時間を一定にすることであれ、儀式は人に安定感を与えます。

かくして私はブルックナーを聞きながら、仕事をします。

神社参拝が無神論者からすれば非合理なことであり、ネクタイの色は実際には他人から見ればどうでもいいことであるかもしれないように、ブルックナーという音楽も、合理性や他人の目からすればどうでもいいことなのでしょう。

しかし私はこういう人間として、ブルックナーを聞きます。

自分でも音楽としては、ブルックナーよりもバッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンらの方が優れたものを書いたことはわかっています。実感すらしています。しかし私はブルックナーをこうして聞いています。

これが私なのでしょう。

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Keith Jarrett/Radiance

感傷にふけりたくない。
鏡のようにただ対象を映し返したい。
常套句にまみれたくない。
透明に形象だけで思考したい。
疲れが自分を感傷と常套句の存在にしてしまったとき、
私は常備する風邪薬のようにKeith JarrettのRadianceを取り出した。
感傷と常套句は万病のもと。
しばしKeithの構造と響きの時間的生成に身を浸そう。

*****

ごめんなさい、まさに感傷的な常套句のオンパレードの文章で。
しかし、「そういえば・・・」と思って取り出したこのCDの音楽が予想以上にツボに入りましたので、このような駄文を重ねました。
感傷を排しながらも感性は開いたままにして、音楽のように純粋に思考したいと、このCDの音楽を聞きながら思いました。
このCDは買って聞いたときにはピンとこなくて、棚にそのままにしていましたが、今聞くとよくわかります。音楽に対しても(何に対しても!)軽率な判断は慎まなければならないと再認識しました。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0007YH4EO/

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カヒミ・カリィ

仕事と風邪で疲れきった深夜に聞こえてきたこのカヒミ・カリィ。
ツボにはまりました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/カヒミ・カリィ
http://www.kahimi-karie.com/index1.html

女性のウィスパー・ヴォイスと、実験的なバックの演奏なんて、たまりません。
神秘的なおねえちゃんに、私、弱いもので(笑)。


「プロローグ」              (カヒミ・カリィ)

「ミラージュ」              (カヒミ・カリィ)
                  <VICL-62135>

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000HXE2XG/


もう眠いから、ラジオを聞くのもここまでにしますが、彼女の系統は私は好きなのかもしれない。

繊細で静謐な表現は好きです。


というわけで、以下はメモ代わり。

「ヴーダー・ダス・エルストゥ・マル」
   (ザ・ノーネックブルース・バンド・アンド・エンブリオ)
                 <staubgold67>

「ユリイカ」               (ジム・オルーク)
                   <R-98BO228>

「ヒー・ショッツ・ザ・サン」       (カヒミ・カリィ)
                  <VICL-62135>

「氷雨月のスケッチ」             (小坂  忠)
                   <ESCL-2281>

「アイ・ラヴ・ユー・ポーギー」
             (ローレン・マザケイン・コナーズ)
                    <FV36-3CD>

「ミラージュ」              (カヒミ・カリィ)
                  <VICL-62135>

「レインドロップス・キープ・フォーリン・オン・マイ・ヘッド」
                    (B.J.トーマス)
                   <POCM-1907>

「サンライズ」          (スティーヴ・ティベッツ)
                   <QSCA-1017>

「ナイト・トレイン」           (カヒミ・カリィ)
                  <VICL-62135>

「プロローグ」              (カヒミ・カリィ)

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ブルックナー

才能もセンスも力量もない人間が、それらが必要とされるポジションについた場合、どうすればいいのか。

いさぎよくポジションを降りる。

もし、その度胸すらないなら、徹底的に謙虚に学び続けるしかないでしょう。
そして自分のような者を後継者に選ばずにすむように最大限の努力をするべきでしょう。

などというなことを考えながら、ブルックナーの第一番、第二番のCDを聞くという、このチープな発想。

仕方ないや。ブルックナーのように愚鈍に生きましょう。

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Susanna and the magical orchestra/Melody Mountain

久しぶりに凹みました。
睡眠に軽い障害が出るぐらいの落ち込みは久しぶりです。

こうして落ち込むと、多少は人の気持ちもわかるようになります。心の感度が上がるのでしょう。
今日も前から予定していた面談を行いましたが、おそらくは私の共感的理解能力は少しは増していたでしょう。
そうして多少とも他人の役に立てると、それは同時に私への慰めともなります。
というより、私に助言を求めてきたはずの人の一言にはっとしたりします。
(知らず知らずのうちに今日の面談者依頼者は私を助けてくれていました)。

***

人間は何かを共有することにより、慰めを、充足感を、力を得るのでしょうか。

共有ということは、それだけで幸いなのでしょうか。
たとえ共有するものが喜びであれ、悲しみであれ。
それは社会的動物として進化の末に獲得した私たちの本性なのでしょうか。


落ち込んだとき、私はしばしば音楽とその気持ちを共有しようとします。
音楽を通じて私は、その演奏者と作曲者そしてその音楽を愛する人たちと、その特有の感情を共有します。

http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/music.html#060323
にも書きましたが、Susanna and the magical orchestraは私にとって大切な音楽家です。

今日聞いたのは、先日買っていた彼女たちの新作(Melody Mountain)です。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000GUJYVU/sr=8-1/

タワーレコードのやかましい環境の中ではまともに試聴はできませんでしたが、前作の良さを信じて買いました。正解でした。
この新作では、前作以上に、彼女の感情の細やかさと存在の確かさが表現されているように思います。
バックの演奏もデリケートで、彼女をひっそりとサポートしています。
オルガンやベース、あるいはハープシコードといったアコースティック楽器が彼女の声に寄り添っています。

ま、落ち込んでいる人にはお薦めのCDです(笑)

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