« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »

2006年10月

ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー

俗物といわれようが、安直といわれようが、私はこの序曲は好きです。
この演奏のようにゆっくりかみしめるように展開されるとたまりません。
ゆっくり丁寧に演奏されるからこの曲の内部構造もよくわかります。
てゆうか、私はフーガ・構造フェチなので、この演奏好きです。
この曲は安っぽく派手に鳴らしてはいけないと思います。

「楽劇“ニュルンベルクのマイスタージンガー”から
            “第1幕への前奏曲”」ワーグナー作曲
                      (11分02秒)
         (管弦楽)ニューヨーク・フィルハーモニック
               (指揮)ジュゼッペ・シノーポリ
            <ユニバーサル UCCG-8024>

続いてのピアノ曲はブルックナーによるもの。
しかし、ブルックナーの交響曲のイメージとはかなり違います。
ロマン主義風のバッハという表現を使いたくなります。
(いや、「思い出」には、ちょっとショパンすらも入っている?)

演奏はピアノの音がきれいです。


「秋の夕べの静かな思い」          ブルックナー作曲
                       (4分10秒)
「幻想曲 ト長調」             ブルックナー作曲
                       (5分39秒)
「思い出」                 ブルックナー作曲
                       (5分16秒)
                    (ピアノ)白神 典子
      <キングインターナショナル KKCC-2319>

| | コメント (4) | トラックバック (2)

バラカン・ビート/OTONaMazu

あのピーター・バラカンさんの
「Barakan Beat バラカン・ビート」
を初めて聞くことができました。

インターネットの無料ラジオ
「オトナマズ」です。
http://www.otonamazu.com/

誰でも登録できます。
ミクシィみたいなSNSにもなっています。

現在のところ、誰の紹介がなくても
入会できますが、もし私でよければ
紹介状を出しますので、どうぞ
お気軽にメールを下さい!

それにしても私、ピーター・バラカンさんの
声は好きです。
それに彼の英語は初めて本格的に聞いたけど、
とっても聞きやすいのね。

オトナマズとバラカンさんが共に多くの
リスナーに愛されますように!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

細川俊夫「ピエール・ブーレーズのための俳句」 

細川俊夫さんは、私は好きです。
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/music.html#030119

この作品は「俳句」というだけあって、音の間がいいですね。
2003年の作品だそうです。
最後の二音とその残響はすごくセンスがいいです。


「ピエール・ブーレーズのための俳句」     細川俊夫・作曲
                       (3分39秒)
                (ピアノ)オスカル・ピッツォ
                 <作曲家持参の音源を使用>

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ブルックナー/交響曲 第二番、第八番

私は一時期、ある音楽評論家の言葉を鵜呑みにしてしまって、
「ブルックナーの交響曲は、三番以降になって初めてまともになっている」
などと思い込んでいたけど、その思い込みは、今は心から返上したいです。

解説本って、役立つけど、有害でもありますよね。

少なくとも、ヨーフムのこの二番は丁寧でいい演奏でした。


「交響曲 第2番 ハ短調(レオポルト・ノーヴァク版)」
                      ブルックナー作曲
                      (51分48秒)
              (管弦楽)バイエルン放送交響楽団
                 (指揮)オイゲン・ヨーフム
       <ドイツグラモフォン POCG-3502/4>

で、その後に聞いたのが、

「交響曲 第8番 ハ短調」         ブルックナー作曲
                   (1時間25分08秒)
        (管弦楽)ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団
                  (指揮)ズービン・メータ
  ~オランダ・アムステルダム コンセルトヘボーで収録~
                   <2005/12/2>
  (オランダ公共放送提供)

件の音楽評論家は奇しくも「メータのブルックナーなんて・・・・」
と言っていて、私もそうかなぁなどと思っていましたが、この
ブルックナーはつややかで、これはこれでよかったです。
それに第四楽章冒頭のティンパニーはしなやかというか、
弾性に富んだもので、ゴツゴツ・ブルックナーとは違う魅力が
出ていました。

| | コメント (4) | トラックバック (2)

電話の呼び出し音

私が神経質なだけかもしれないけど、
電話の呼び出し音って、どうしてあんなに耳障りなの?

人間の耳につきやすい周波数帯で電子音を作って
いるのだろうけれど、私は正直、電話の呼び出し電子音
が大嫌い。

むかしダイヤル式の電話を使っていた頃(笑)、
やっぱり呼び出し音は嫌いだった(というより、
いきなりベルが鳴るとびっくりしてしまった)。

だから底面のネジを外して私は中にあったベルを
外していた。

すると呼び出し音は「カタカタカタ」といった音になった。

私はこれは好きだった。


ところが今はそのような改造も出来ない。

昔のベルのように驚くような音ではないが、
どうも気持ちをイライラさせるような音で不快だ。

今は底面のスピーカー口にタオルを貼り付けて
少しは音が柔らかくなるようにしているが、
まだまだ不快だ。

さきほどは開け放たれた窓から、近くの電話の
呼び出し電子音が連続して聞こえてきて、
気持ちがとてもいらついてしまった。


世間のみなさんは、あの電子音をなんとも思って
いないのかなあ。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

ベートーベン「ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15」

「ハイドン?それともモーツァルト?
いずれにしても私はこんな音楽好きだなあ」
と思っていたら、ベートーベンでした。

ラジオで途中から音楽を聞くと、このような驚きというか
発見があります(発見は自らの無知の再発見でもある
のですけれど)。


でも好きでした。この音楽。

演奏もよかったのかもしれない。
ピアノは品があったような気がするし、
オケも、激しくなりすぎずに、表現力をもっていたし。


「ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15」 ベートーベン作曲
                      (38分20秒)
             (ピアノ)アルフレッド・ブレンデル
        (管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                  (指揮)サイモン・ラトル
           <PHILIPS UCCP-1039>

| | コメント (2) | トラックバック (2)

ストラヴィンスキー「バイオリン協奏曲 ニ調」

この曲は、当時はどのように受け入れられたのかはよく知りませんが、
現在聞くと、程よいぐらいに新鮮で、典雅ささえ感じさせます。
私はこの曲好きです(でも、一枚もCDを持っていないなあ)


「バイオリン協奏曲 ニ調」      ストラヴィンスキー作曲
                      (21分06秒)
             (バイオリン)アイザック・スターン
                (管弦楽)コロンビア交響楽団
            (指揮)イーゴリ・ストラヴィンスキー
               <ソニー SRCR-1559>

にしても「ニ調」とはどういうことなのかしら。
二長調でもニ短調でもないのね。
音楽理論がわからないと、こういうところで駄目なのよね。
(てゆーか、私は楽譜も読めないし)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

Sting/Songs from the labyrinth

浮世だから嫌なことというのはあります。
でも、このようなCDを聞いていると、私の経験している
嫌なことなんて、はるか昔から繰り返されている
ことの一つにすぎないという、ちょっと現在の
自分から離れた見方ができます。
ちょっとした音楽の慰めです。

ダウランドは私の非常に好きな作曲家です。
憂いと哀愁がとてもいいです。

そのダウランドの歌曲をスティングが歌います。
もちろん伴奏はリュートです。

その結果はまさに「スティングがダウランドを歌っている!」
です(笑)。標準的な古楽の歌い方とは違いますが、
私は結構、このスティング版も楽しんでいます。
彼のざらついた声が私は好きだったりします。
(古楽器といい、ノイズ・ギターといい、私はざらついた
音が好きなのかもしれません)。

それにしても16/17世紀の歌を、現代人が歌える
というのもすごいですね。

いや、これは当たり前のことなのかな?

でも日本でいうなら、安土桃山時代から江戸時代ぐらい
の歌曲を、例えば井上陽水がそれなりに伝統的に、
しかし彼なりの歌い方で歌うということは、あまり
考えられない。

それどころか、その頃の日本の歌曲はどんなものだった
のかすらも私は知らない。

ヨーロッパの古楽なら結構知っていて、聞き親しんで
いるのにね。

なんか変だなあ。

Sting/Songs from the labyrinth
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000GUK5FO/

| | コメント (9) | トラックバック (0)

Cornelius/Sensuous

とみに精神と身体のオヤジ化が進み、
若い世代の迫力のなさに歯がゆい思いを
している私ですが、このようなクールな脱力
をしている若い世代には脱帽です。

コーネリアスってまだやってたのね。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000HEWJLC/

Fit Song
Breezin’
Gum
をNHK-FM(ミュージック・スクエア)で聞きました。

でも、もちーと、幽玄というか霊妙な味を出したら
もっといーのに。

これらの曲を聞く限りなら、私ならもっとポップな
HALFBY(ハーフビー)を買いたいと思います。
http://yosukeyanase-music.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/halfby_1109.html
(コーネリアスファンの皆様、ごめんなさい)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

TIMEDOMAIN/Yoshii9

TIMEDOMAIN/Yoshii9
http://www.timedomain.co.jp/
が東急ハンズで売られていた。

音楽が鳴らされていたけど、そりゃ
ないでしょ、あーた。

あんなうるさい売り場でTIMEDOMAIN/Yoshii9
の良さがわかるわけないじゃない。


TIMEDOMAINの営業方針を疑います。
Yoshii9という製品に愛情をもっているのかしら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

谷山浩子/テルーの唄

やっぱ、谷山浩子さんはうまい。
手嶌葵さんがかすんでしまいます。
(手嶌葵ファンの皆さん、ごめんなさい)

どうしてこんなにニュアンスを精密に歌えるの。

NHK-FMで聞きましたが、この曲は

『テルーと猫とベートーヴェン』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000GPII0S/

に収録されているそうです。


ラジオでは
「素晴らしき紅マグロの世界」
も聞けましたが、このような悪意を隠し持った明るくユーモラスな歌を歌えるのも谷山浩子さんのすごいところです(歌詞もメロディーもバックの演奏も最高!)

「ポプラ・ポプラ」は、ほのぼのとした気持ちを、決して砂糖まぶしにせずに、きちんと丁寧に歌います。


それにしても谷山浩子さんは、ただ単にしゃべっていてもいい声をしているなぁ。
声フェチの私としては、語りを聞いているだけでノック・ダウンされてしまいます(笑)。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

Umekichi「蔵出し名曲集 リローデッド」

マイミクのしょうちゃん
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=4522909
が、いつか薦めていたCDが気になっていたので、アマゾンのクーポン券を(部分的に)使って買いました。

Umekichi姐さんによる「蔵出し名曲集 リローデッド」です。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000197LQG/

戦前・戦後の流行歌をビックバンド+三味線で歌います。

「粋でいなせで」というのはこういうことなのね。
というか笑い心をもった、粋でいなせな姐さんのCDです。

「買い物ブギー」なんて、腹筋が痛くなるぐらい笑いました。
「パイのパイのパイ」なんてちょっと哀しい気持ちを、いなせに笑い飛ばします。
演奏(三味線とリズムセクション)は「野球けん」がイケています。

それに歌詞の響きが面白いこと、面白いこと。
音の感触を少しでも再現したいからカタカナ表記しますと

「シャシャリコ、シャンシャン」
「ワテ、ホンマニ、ヨーイワンワ」
「ラメチャンダラ ギッチョンチョンデ パイノパイノパイ」
「パリコト バナナデ フライ フライ フライ」
「ビックリ シャックリ ブギウギ」
「ノマシャンセ」
「ヨヨイノ、ヨイ」
「ドドンパ、ドドンパ」
「ラッキー、カム、カム」
「ヨイヨイ、ヨイヤサット」

すごい感覚だわ。
かなわない。

こういう言語感覚に私たちは育てられてきたのね。
ありがとう。


私が昭和歌謡の奥深さを知ったのは、サザン・オールスターズの特集DJ番組で、その時私はザ・ピーナツを始めとする昭和歌謡の独特のかっこよさを知ったのだけど、やっぱり、こういった私の「ルーツ・ミュージック」をもっと知りたくなった。

うー、下のCDも欲しくなっちゃった・・・・

昭和の大ヒット大全集(上)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FTW8DI/

ディスク:1
1. 影を慕いて / 藤山 一郎
2. 別れのブルース / 淡谷 のり子
3. 旅の夜風 / 霧島 昇、九条 万里子
4. 一杯のコーヒーから / 霧島 昇
5. 誰か故郷を想わざる / 霧島 昇
6. 湖畔の宿 / 高峰 三枝子
7. 蘇州夜曲 / 霧島 昇
8. 南の花嫁さん / 高峰 三枝子
9. リンゴの唄 / 並木 路子
10. 夜のプラットホーム / 二葉 あき子
11. 胸の振子 / 霧島 昇
12. 山小舎の灯 / 近江 俊郎
13. 懐しのブルース / 高峰 三枝子
14. 東京ブギウギ / 笠置 シヅ子
15. 湯の町エレジー / 近江 俊郎
16. 青い山脈 / 藤山 一郎
17. 長崎の鐘 / 藤山 一郎
ディスク:2
1. イヨマンテの夜 / 伊藤 久男
2. 水色のワルツ / 二葉 あき子
3. 赤い靴のタンゴ / 奈良 光枝
4. 白い花の咲く頃 / 岡本 敦郎
5. あざみの歌 / 伊藤 久男
6. リンゴ追分 / 美空 ひばり
7. ゲイシャ・ワルツ / 神楽坂 はん子
8. 山のけむり / 伊藤 久男
9. お祭りマンボ / 美空 ひばり
10. 伊豆の佐太郎 / 高田 浩吉
11. 君の名は / 織井 茂子
12. 高原列車は行く / 岡本 敦郎
13. この世の花 / 島倉 千代子
14. 逢いたかったぜ / 岡 晴夫
15. りんどう峠 / 島倉 千代子
16. 東京だョおっ母さん / 島倉 千代子
17. 港町十三番地 / 美空 ひばり
ディスク:3
1. 喜びも悲しみも幾歳月 / 若山 彰
2. 東京のバスガール / 初代 コロムビア・ローズ
3. 柿の木坂の家 / 青木 光一
4. 無法松の一生 / 村田 英雄
5. からたち日記 / 島倉 千代子
6. 人生劇場 / 村田 英雄
7. 僕は泣いちっち / 守屋 浩
8. 浅草姉妹 / こまどり姉妹
9. 潮来花嫁さん / 花村 菊江
10. さすらい / 小林 旭
11. おひまなら来てね / 五月 みどり
12. ソーラン渡り鳥 / こまどり姉妹
13. 山のロザリア / スリー・グレイセス
14. 北帰行 / 小林 旭
15. 王将 / 村田 英雄
16. 恋は神代の昔から / 畠山 みどり

| | コメント (2) | トラックバック (0)

Bossa N' Marley


061015bossa_n_marley

なんか高ぶってしまった気持ちをおさえるため、Bossa N' Marleyを棚から取り出しました。
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=934930&GOODS_SORT_CD=101
この夏にタワーレコードで試聴して買ったCDです。


ジャケット写真はオイタですが、ボサノバで肩や首や喉の力を抜いて歌われたボブ・マーリーはいいです。

それにしてもメロディー・メーカーとしてのボブ・マーリーは一般にどういう評価を受けているんでしょうね。

個人的には、No woman no cry, I shot the sheriffなんて、素晴らしいメロディーだと思うのですけど。

秋の夜にレゲエをボサノバ・バージョンで聴くってのも、いいっす!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シベリウス交響曲第一番・第四番

061015sibelius14ヴァンスカ/ラハティでシベリウスへの興味が再燃し、棚からCDを取り出しました。

ヴァンスカ/ラハティによるシベリウス交響曲第一番・第四番です。(BIS-CD-861)
http://www3.plala.or.jp/sibelius/cd/ov_1-7.html

まずは第一番。

切れ味鋭くというか、この曲がその当時はかなり斬新なものではなかったのかと思わせるような演奏になっているように思います。

と書いて、ウィキペディアを見てみると
http://ja.wikipedia.org/wiki/交響曲第1番_(シベリウス)

*****
本作に着手する(1898年4月)直前の1898年3月にシベリウスはベルリンでベルリオーズの幻想交響曲を聴き、大きな感銘を受けたことを記している。そしてシベリウスは滞在先のベルリンで早速交響曲の作曲に着手したのだった。この頃のシベリウスは酒におぼれ浪費癖をおぼえ、自堕落な生活を送っていたのだが、この作品の作曲当初は酒も葉巻も控え作曲に集中した。しかしそれも長続きはせず、酒に酔ったあげく乱闘騒ぎまで起こしている。
*****

わはははは。これ、よくわかるような気がします。「幻想」聞いて発奮して断酒。反動で泥酔・乱闘というエピソードは、ごめんなさい、けっこうわかりやすくて笑えてしまいます。
シベリウスは 1865年12月8日生 - 1957年9月20日没ですから、この交響曲が完成した1899年は、シベリウスは93年の長い一生の中の、35歳という(常識的に考えればまだまだ)血気盛んな頃ですね。
しかし「幻想」に比べれば、この曲はずいぶん締まっているし、ストイックともいえるような気がします。というより演奏がそうなのでしょうか。第三楽章最後のティンパニなんて、生演奏で聞いたらゾクゾクくるはずです。ただ第四楽章は19世紀ロマン主義の書法であるように思えます。

第四番は冒頭の不安定な和音から、ずいぶん趣が違います。もはや第五番の世界と言えるでしょう。交響曲が外向きに発展するのではなく、私たちの内面を彷徨します。内省的な音楽です。ブルックナーファンの自分としては、金管のコラールがブルックナーのようにも聞こえるところについつい注目したりもします。しかしこのシベリウスの第四番は、ブルックナーよりも内側へ向ってゆきます。これは集中して向き合うべき音楽でしょう。室内楽的、あるいは弦楽四重奏的な表現に、時折の厚い金管表現が加わった交響曲とでもいえるかもしれません。第四楽章で音楽は少し外側を向きますが、それもすぐに内省的な動きに変わってゆき、音楽は終わります。

と書いて、またウィキペディアを見てみると
http://ja.wikipedia.org/wiki/交響曲第4番_(シベリウス)

*****
1908年、前年から体調の不調を訴えていたシベリスは喉の腫瘍と診察され、5月12日にヘルシンキで手術を受けた。医師はさらに専門医の診察を受けるよう勧めたため、シベリウスはベルリンのフレンケル医師の元を訪れた。6月に手術を行い病根を摘出することができた。病理組織学検査の結果、腫瘍は良性であると判明したが、予後への配慮から酒と葉巻を禁止されてしまった。この加療生活からシベリウスは死を身近に感じるようになり、この時期の作品には暗闇からかすかな光を探し求めるような感覚がつきまとっている。その最も完成された形がこの交響曲第4番である。
*****

うーん、またわかりやすい。なんか、わかりやすすぎて、シベリウスの作品理解を安易な物語に回収してしまうようで怖いぐらい。1911年完成ですから、シベリウスは47歳です。

北欧音楽というのは、まだまだ私にとってはよくわからない音楽です。

「わからなさ」こそは、しばしば私にとっての新発見の鍵ですから、今後も北欧音楽を少しずつ聞いてゆこうと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

ヴァンスカ指揮、ラハティ交響楽団によるシベリウス

ヴァンスカ指揮、ラハティ交響楽団によるコンサートに行きました。


第16回 西京コンサート ラハティ交響楽団 周南市コンサート

2006年10月13日 (金) 午後7時開演 (開場 午後6時30分)

周南市文化会館 (〒745-0874 山口県周南市公園区5854-41)

ジャン・シベリウス (1865-1957) 交響詩〈タピオラ (Tapiola)〉 作品112
エドヴァルド・グリーグ (1843-1907) ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
ジャン・シベリウス (1865-1957) 交響曲第5番 変ホ長調 作品82

出演者  ユホ・ポホヨネン (ピアノ) ラハティ交響楽団 オスモ・ヴァンスカ (指揮)

ま、グリーグはさておいて(笑:ごめんなさい、私はこの曲は苦手なもので)、シベリウスのこういった作品は、まさに20世紀作品であり、現代的な感覚に満ちているなあと再認識しました。タピオラの最後あたりは、シェーンベルクを連想してしまいました。
(ちなみにタピオラは1925年完成(http://ja.wikipedia.org/wiki/タピオラ)、交響曲第五番は1915年完成(http://ja.wikipedia.org/wiki/交響曲第5番_(シベリウス))です。

現代的な感覚といっても、耳新しいようなメロディーやハーモニーがふんだんに盛り込まれているというわけではありません。
しかし、バッハ、ハイドン、ベートーベンなどに見られる均整的な構造と発展をクラシックの「基本」と考えるようになった私のような人間としては、このような作品におけるシベリウスの「不均衡的(?)」にシンフォニックなメロディ構成、そしてハーモニー感覚は、一種の「わけのわからなさ」を提示します。

「わけのわからなさ」といっても、マーラーのような人為的、作為的あるいは恣意的なものではありません。おそらくシベリウスとしては彼の内なる感覚に従って、その感覚が熟するのを待ち、スコアにまとめたら、自然とこのような作品が出来上がったのではないでしょうか。ですから「これみよがしの現代性」などとは無縁で、軽く聴く限りにおいてはいわゆる「クラシック音楽」のイメージから逸脱するものではありません。しかし丁寧に聴くと、私たちの通俗的な感覚には決して回収されない感覚があります。

ヴァンスカ/ラハティの演奏では、そういったシベリウスの内的感覚を鋭敏かつ丁寧に掘り起こしていたような気がします(ピアニシモの表現も、フォルテシモの表現も自然体で、かつ丁寧でした)。
タピオラも第五番も、私は演奏が終わると、まずは「ふっ」と大きく息を吐き出してから、やがて少しずつ拍手をしました。音楽を聞くモードから、戻るのに少し時間がかかるようないい演奏でありまたいい曲でした。

アンコールは定番のフィンランディア。もうこれは熟達の演奏。音の出方が違いましたから。
しかしフィンランディアは、決してしばしば誤解されるような国威発揚的なものではありません。
もっと奥が深く、繊細です。まあ、これも1899年作曲(1900年改訂)の作品ですし。
http://ja.wikipedia.org/wiki/フィンランディア

ちなみに私はおそらく初めて、このクラシック演奏でシンバルおよびトライアングルの響きがいいと思いました。
たいていの場合、私はクラシックでのシンバルやトライアングルの響きが安っぽくにしか聞こえません。
(特にブラームスの交響曲第四番なんて、トライアングルが曲のよさを台無しにしているような気すらしています)。
でもこの演奏のトライアングルはいい音を出していましたし、シンバルの鳴らし方も「力いっぱい」などとは無縁のものでした。
(私、ジャック・ディジョネットのシンバルの音が好きなもので、それなりにシンバルの音にはこだわってしまうのです。もちろん、ジャズとクラシックでは鳴らし方が全く違うのですが・・・)。

新幹線を使えば、比較的スムーズに移動できる土地で、このような演奏を楽しむことができたのは私にとって嬉しいことでした(広島の音楽友達にも次々に会場で出会いました)。


このように、常に新鮮な音楽世界を私に教えてくれる北欧音楽CD専門店「ノルディックサウンド広島」に感謝。
http://www.nordicsound.jp/

| | コメント (2) | トラックバック (1)

アリーナ・イブラギモヴァ バイオリン・リサイタル

やっぱ、バッハはすごいや。

バイオリン一本で、これだけの展開ができるなんて。
それもただ楽理的に展開したというだけでなく、深い感情も同時に表現しているなんて。

この演奏会、イザイの曲も面白かったけど、やはり定番中の定番、バッハのパルティータ第二番がよかったです。

でもバルトークもすごい。

私は初めて聞いたのですが、バルトークの「無伴奏バイオリン・ソナタ」にも高度な構造性と深い情感があるような・・・

私は、このバッハとバルトークに、あまり時代の差を感じないのだけれど、これはバッハがすごいのか、バルトークがすごいのか。それともここまでいくと時代は関係ないのか。


私はすぐに大げさな表現を使ってしまうだけなのかもしれないけれど、もうこれらは人類の宝ですよね。

高度な知性を持つと思われる異星人が来たときに、私たちが人類の知性を何らかの形で表現しなければならないとしたら、一つには、これらの曲を演奏すればいいのではないだろうか。

その異星人が人類と同じ可聴範囲を持っていたら、たとえ言語や文明、ひいては身体を異にしても、この音楽に現れる知性(と情感)はわかってもらえるのではないか・・・・

と、妄想は続くのでした(笑)。

 - アリーナ・イブラギモヴァ バイオリン・リサイタル -

「無伴奏バイオリン・ソナタ ホ短調 作品27 第4」
                         イザイ作曲
                      (11分00秒)
「無伴奏バイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調
                 BWV1004」バッハ作曲
                      (28分15秒)
「無伴奏バイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調
                 BWV1006」バッハ作曲
                      (18分24秒)
「無伴奏バイオリン・ソナタ」         バルトーク作曲
                      (25分42秒)
「“無伴奏バイオリン・ソナタ 第1番 ト短調
         BWV1001”から 第4楽章」バッハ作曲
                       (3分21秒)

           (バイオリン)アリーナ・イブラギモヴァ
  ~東京・武蔵野市民文化会館で収録~

| | コメント (2) | トラックバック (0)

武満徹「雨の樹 素描2-オリヴィエ・メシアンの追憶に-」

ラヴェルもすごいけど、それならタケミツはもっと、す・ご・い!

鋭敏な感覚と均整を保つ知性というか、なんというか。

こういう「別格」の音楽を聞くと、クラシック音楽至上主義者ではないはずの私も気持ちがグラグラしてしまいます。

「雨の樹 素描2-オリヴィエ・メシアンの追憶に-」
                       武満 徹・作曲
                       (4分27秒)
                    (ピアノ)霜山 茉莉

| | コメント (0) | トラックバック (0)

THE TIMERS(ザ・タイマーズ)

061006timersロックは反抗、批判、知性、そして自由。

反抗してしまうのは、今の自分の生活に批判の目を向けざるを得ないから。
批判してしまうのは、知性の動きを止めておけないから。
知性が動くのは、知性というものが本来自由を求めるから。

そしてこれらが相互作用をおこすと哄笑にいたる。

他人と社会を笑い飛ばして、そんな馬鹿笑いをする自分を、
それこそ腹を抱えて笑い飛ばす。

「日本にロックはあるのか?」という問いは、時に真面目に、
時に反語的に問われます。

たしかにマーケットへの従順と順応、さらには無思考という停滞的安寧ばかりの
ジャリタレ音楽ばかりを聞いていると、絶望的にもなってしまいます。

しかし地上波テレビなんかでロックを聞く方が悪いのよ。
(てゆーか、その態度、ゼツボー的に間違ってる)。

「日本にロックはあるのか?」


はい。

THE TIMERS(ザ・タイマーズ)。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000CBO13E/

忌野清志郎師匠が1989年にぶち切れて作ったバンドです。


これでも一応教師の私は、一曲目の「タイマーズのテーマ」では
その歌詞に少し眉をしかめてしまったけど、CDの終わりのほうで
「タイマーズのテーマ(エンディング)」が流れ始めたら、
涙を流しながら喜んでしまった。


とにかくに徹底的に日本語でロックをやっている。

この絶妙な言語感覚!
大笑いするしかない言葉遊び。

私は大学時代、英詩の授業でさんざん脚韻のことを教えられたけど、
正直、その面白さを実感したことはなかった。

このCDで初めて脚韻の詩を聞く喜びを感じました。
(しかも大笑いしながら)。

というより「ギーンギーン」、「税」、「イモ」なんて、
歌声だけで大笑いできる。
(んでもってカッコいい)。

また、「カプリオーレ」や「LONG TIME AGO」のテーマを偽善的にならずに歌えるなんてすごい。

「ロックン仁義」は、ロックの伝統と演歌の伝統へのパロディによるトリビュート。
(そしてその当時の事件への反抗)

「デイ・ドリーム・ビリーバー」の物悲しさも、日本語で歌詞を聞いて、初めてわかりました。
(ロックって母語で聞くとこんなにいいのね)。

私は今頃になって忌野清志郎師匠の偉大さをわかりはじめました。


今からでも遅くない。


日本のロックを聞こう!

日本には忌野清志郎師匠がいる!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ラヴェル「フォーレの名によるこもり歌」

これはニュアンスの音楽でした。
ピアノ演奏が特に印象的でした。
言い古されたことですけど、ラヴェルってすごい感覚の持ち主ですね。


「フォーレの名によるこもり歌」         ラヴェル作曲
                       (3分20秒)
         (バイオリン)ジャン・ジャック・カントロフ
                (ピアノ)ジャック・ルヴィエ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

TRIO BEYOND(JACK DEJOHNETTE, LARRY GOLDINGS, JOHN SCOFIELD)/SAUDADES

061004saudadesゴキゲンさと芸術性が両立したジャズだと思います。
というより私のカテゴリーとしては「同時代的音楽」。ディジョネットがリーダーだからアコースティック系ね。
(最後のEmergencyなんてホントに凄い!)

ジャック・ディジョネット(ドラム)、ラリーゴールディングス(ハモンド・オルガン、エレクトリック・ピアノ)、ジョン・スコフィールド(ギター)のトリオ作品です。
TRIO BEYOND(JACK DEJOHNETTE, LARRY GOLDINGS, JOHN SCOFIELD)/SAUDADES
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1346626

とにかく演奏が多彩でノリがあります。オルガンやギターで主に表現される推進力に、ドラムが実に創造的なサポートを加えます。
それが相互作用し、演奏がどんどん展開します。
さらに曲も、実験的なものや、メロウなものもあり、展開に飽きることがありません。

ディジョネットは、キースジャレット・トリオみたいに、ピアノとベースと組んで理知的で繊細な演奏でドラミングをしても超一流だし、今回のようにギターとオルガンと組んで、情動的でアナログ的変化にあふれる演奏でドラミングをしても超一流です。

実験系でのまさに創造的なドラミング。なんでそんなドラミング思いつけるの。いったい何本の手を持っているのよ。
(ビデオで見たらそんなに手は動いていないけど、音から判断するとディジョネットにはまさに何本も手があるように思えます)。

サポートに徹したときの、入りのタイミングのよさ。最小限の繊細な音で、最大限の効果を出すドラミング。

一転して思い切って叩くシンバル!ワイルドなディジョネットには私はノックダウンされてしまいます。

私にとって、ディジョネットはやっぱり最高のドラマーです。

これはライブ録音で、一枚目の終わり(休憩前)にMC(?)が、ディジョネットのことを"The incredible Jack DeJohnette!"と呼んでいました。二枚目の終わり(コンサート終了)では、メンバーの中で、ディジョネットだけに「ミスター」をつけて"Mr. Jack DeJohnette"と呼んでいました。私もこの敬意に賛同します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

The Band Apart/alfred and cavity

061003thebandapart_1いや、ついでというわけではないのですが、これもミュージック・スクエアで聞きました。このギターはかっこいいと思います。センスいいし、テンポいい。
これは実力ありそう。SARINAを買うよりは、こっちの方を買いたい。
(SARINAファンの皆さん、ごめんなさい)

ま、これも備忘録ということで。

http://ja.wikipedia.org/wiki/The_band_apart
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000HOJCX0/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

SARINA/Groove Addiction

061003sarinaうーん、新鮮なような気もするが、案外に聞いているうちに飽きてしまうのか?
バイオリンでダンスミュージック。
でもバックはなかなかよかったような気もするけど、単なる印象かなあ。

まあ、備忘録ということで。

http://www.bounce.com/interview/article.php/2808
http://www.village-a.com/SARINA/

| | コメント (1) | トラックバック (0)

フンク/「組曲 ニ長調」

ダビット・フンクという作曲家、私は知りませんでしたし、ネットでちょこちょこ調べましたが、あまりよくわかりません(せめて英語のスペリングがわかれば、結構、情報が得られるのに!)

しかし、この曲はよかったです。

いや、曲ではなく、チェロの音の感触というか、「音ざわり」(こんな日本語あるのかなあ)がよかったです。古楽器なのかどうかわかりませんが、いい具合に音が「ざらざら」していて、滋味を感じました。

「組曲 ニ長調」                 フンク作曲
                      (13分10秒)
                    (チェロ)村井  将
                      〃  銅銀 久弥
                      〃  山内 俊輔
                      〃  桑田  歩
  ~NHKホール・北ロビーで収録~
                   <2006/5/12>

| | コメント (4) | トラックバック (0)

Esbjorn Svensson Trio/Winter in Venice

空気が澄んできたので、CD棚の中の

Esbjorn Svensson Trio
Winter in Venice

http://www.est-music.com/

が目に付きました。

うん、こんな感じのジャズもいいですね。
ニューヨーク系の「ガチ先端・知的創造・俺達=宇宙の中心」みたいなジャズもいいんですが、やっぱり、僕らは毎日暮らしている生きものなんだから、少しは余裕をもった態度は必要ですよね(←って、日曜に仕事しながら書くなよ)。

このCDは昔、たまたま中古CD屋で見つけて買っただけで、このトリオについても、しばしば名前を聞くなあ、ぐらいの認識しかないのですが、響き、そして響き合い、静寂の中の音による会話を大切にしているような演奏に聞こえました。ベースの良さがわからないことに関しては人には負けない私ですが(笑)、この、グイグイとテンポとリズムをつくるのではなくて、後から余韻を付け足すようなベースはいいなと思いました。(ただ、この印象は、このCDに関するものだけで、ネットをググってみると、結構ロックよりの演奏も彼らはしているみたいです)

ま、てゆーか、秋ですね。

夜気のこの肌触り、素敵です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »